D-time

Dタイム

ありがとうマンが贈る 
〜心に残るありがとう〜 話

2023.07.01

「兄として、父として」

最近、私は友人の娘の結婚式に参加しました。その友人とは高校時代からの長い付き合いで、その娘のこともよく知っています。
彼女の結婚式の案内を受けて、私は喜んで出席することにしました。
しかし、その娘という存在は実は友人の妹でした。彼女が妹でなく娘として育てられた理由は、友人が21歳の時に両親が事故で他界したからです。
家族は兄と妹の二人だけになり、友人は一人の親として、妹のために育てることが最善だと考えたのです。
当時、友人からその事情を聞かされたとき、私は強く反対しました。
確かに妹のことを思うと、その選択が最善かもしれません。
しかし、友人自身はどうなるのでしょうか?歳で一人の子を育てるというのは、あまりにも無理があると感じました。

母親の存在を尋ねられたら、どう答えるのでしょう?
また、戸籍を見られた時、事実がばれてしまうことは避けられないのではないでしょうか?
それに、友人自身の結婚や将来についてはどうなるのでしょう?

これらの疑問を友人にぶつけたとき、彼は自身の両親が他界し、つらい時期に妹の笑顔が唯一の救いだったと答えました。
そして、この子が無事に育ってくれるのなら、自分の幸せは二の次でもいいと言いました。
それを聞いた私は、何も言い返すことができませんでした。ただ、「辛い道だと思うけど、頑張れ」と伝えることしかできませんでした。

それから、友人は家事、仕事、妹の育児と、全力で生活をしていました。
私も何か手伝えることがないかとたびたび尋ねましたが、話を聞いてあげることしかできませんでした。
私の知る限り、妹が友人が父親ではなく兄だという事実を知っているような様子はありませんでした。
そして、その妹の結婚式の日がやってきました。新郎の会社の人々が集まり、友人が感動的なスピーチをし、式は順調に進行しました。

そして、新婦が父への手紙を読み始めました。その中には、「お父さん、今まで本当にありがとう」という言葉がありました。
彼女は感極まって涙を流しながら読んでいました。
しかし、突然彼女が読み進めなくなり、首を横に振り始めました。
周囲は何が起こったのか理解できず、ざわつき始めました。

次の瞬間、彼女が「お兄ちゃん」と言いました。その言葉を聞いて、私の心臓が飛び出るかと思いました。
彼女は、自分が娘ではなく妹だという事実を知っていたのです。高校生の時に友人の日記を見つけ、その時に真実を知ったようでした。
彼女は涙を流しながら友人に感謝の言葉を述べ、そして謝罪しました。彼女が言うには、自分の存在が兄の人生を狂わせてしまったからです。
友人は彼女に対し、「それは違う。お前がこんなに大きく育ってくれた。それだけで俺には十分だ」と答えました。
その言葉を聞きながら、私も涙が止まりませんでした。
拍手が湧き起こり、結婚式は平然と進行し、無事に終わりました。
その後、私は友人と一緒に居酒屋に行き、酒を飲みながら話をしました。話をしながら友人は妹のことを思い出し、涙を流していました。
その時、私は友人に向かって「お疲れ様」と言いました。友人は笑顔で「いえいえ」と答え、泣きながら話しました。
そして、友人が今一番楽しみにしているのは、孫が生まれることだと話しました。

兄として、父となり、自分のことは二の次にできるか・・・このように想い実践できるエネルギーは何なのか・・・とても深く考えさせられました。

私ならできるか!と問われたら、局面にならないと分からないというのが答えかもしれないが、そうでありたい!と思う自分がいることに、使命感たるものがあるのではと感じました。
深い学びをいただきました!

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