D-time

Dタイム

ありがとうマンが贈る 
〜心に残るありがとう〜 話

2020.04.09

友人の娘の結婚式

 この間、友人の娘の結婚式に出席した。
私と友人は高校からの友達で、かれこれ30年以上の付き合いで、その娘の事も知っている。その子の結婚式という事で電話が来て出席することにした。

 しかしその子、本当は友人の娘ではなく、友人が20歳の時に生まれた妹だ。なぜ妹を娘としていたのかというと、友人が21歳の時に両親が事故で他界。家族は兄妹二人となり、親のいない家族として育てるよりも、片親ではあるが父親のいる家族として育てたほうが妹のためにもなるのではと、彼なりに判断したからである。当時そのことで友人から相談された時、私はすごく反対した。

 確かに妹のことを考えればそれがよいのかもしれないが、お前自身はどうなるのか?
21才やそこらで子供一人、しかも片親として育てる事は幾らなんでも無理がありすぎる。母親のことを尋ねられたらどう答えるのか?そもそも戸籍を見られた際気がつく。祖父の元で育ててもらったほうが良いのではないか?
それに友人自身の将来の結婚などのこともどうするのか?それらの事を友人に尋ねると、友人は父親母親方の祖父はすでに病気で他界、親戚に預けるのも嫌、それ以前に自身、両親が他界し、つらい時に妹の笑顔に救われた、この子が無事育ってくれるのならば自分の幸せは二の次でも構わない。そういわれたら私自身何も言い返せず、ただ「つらい道なのかもしれないが、頑張れ」としか言えなかった。

 それから友人は家事と仕事、妹の育児とで一生懸命だった。
私も何か手伝えることはないか?と時折聞いてはみたものの、酒に付き合い話を聞くぐらいしか出来ることは何もなかった。私の知る限りその子が、友人が父親ではなく兄という事を知っている様子はなく又、友人からそのような話を聞いた事もなかったので、うまくいっているのであろうと思っていた。

 式も順調に新郎の会社の方、友人のスピーチなどすべてが順調に進んでいた。そして新婦が手紙を読み始めた。良くある内容の父への手紙である。「お父さん今まで本当にありがとう」
そう言って娘さんは泣いていた。泣きじゃくっていた。しかしそこで事態は変わった。娘が一向に続きを読まないのである。そして首を横に振りながら何か訴えてる。何が起こったのかわからず周りはざわつきだした。次の瞬間、彼女の口から『お兄ちゃん』という言葉が出てきた。私は口から心臓が飛び出るかと思った。きっと友人もそうに違いない、なにせ顔色が一瞬にして変わっていた。彼女はすべて知っていたようである。

 何でも高校生の時、書斎を整理している際に偶然友人の日記を見つけ読んだようで、その時自分が娘ではなく妹である事を知ったようである。彼女は言葉にならないぐらい、泣きながら友人に感謝の言葉を言っていた。そしてそれと同時に謝罪もしていた。

 自分のせいで兄の人生を狂わせてしまった。本当にごめんなさいと何度も謝っていた。友人は、「それは違う。俺の人生はつまらない物じゃない。お前がこんなに大きく育ってくれた。それだけで俺には十分だ」そういっていた。俺も自分のことではないのにもかかわらず涙が流れていた。

 そうして周りから拍手が送られ何事もなかったかのように式は進んでいき、結婚式は終わった。私は友人とその後、居酒屋へ行き酒を飲みながら話をした。話をしながら友人は妹のことを思い出しながら涙を流していた。私はその時、友人におつかれさまと言ってやった。友人は笑いながら、いえいえと言い泣いてた。友人が今一番楽しみにしているのは孫が生まれることらしい。

すごい決意をされ、すごい体験を積み重ね、すごい幸せを与えた方ですね。
 このような方はきっと、きっと何倍も何十倍も、幸せを与えた以上に与えてもらい、幸せになられることでしょうね。

到底、真似なんてできませんが、相手目線でいつも考え行動していこうと学びました!

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