ありがとうマンが贈る
〜心に残るありがとう〜 話
2024.10.06
終電の発車間際に切符なしで飛び乗り、車掌さんが回って来た時に切符を買おうと財布を出そうとしたが、財布がなかった。小銭入れもない。
どこかで落としたのだろうか。
途方に暮れたけれども、そのことを正直に車掌さんに言いました。
「すみません。明日、必ず営業所まで行きますから、今日は乗せてください」
ところがこの車掌さん、よほど虫の居所が悪かったのか許してくれない。次の駅で降りろ、と言うのです。
次の駅で降りても家に帰る手段はない。
ホームで寝るにしては、北海道の夜は寒過ぎる。
どうしようもなくて困っていたら、横に座っていた同じ年格好の中年の男性が回数券をくれたんです。
お礼をしたいからと言って、その男性に名前や住所を尋ねたけど、ニコニコ手を振って教えてくれない。
最後は借りたことを忘れて、なぜ教えてくれないのかと文句を言ったら、次のような話をしてくれたんです。
「実は私もあなたと同じ目に遭って、傍に居た女子高校生にお金を出してもらったんです。
その子の名前を何とか聞き出そうとしたけど教えてくれない。
『おじさん、それは私のお小遣いだから返してくれなくて結構です。
それより、今おじさんがお礼だと言って私に返したら、私とおじさんだけの親切のやり取りになってしまいます。
もし私に返す気持ちがあったら、同じように困った人を見かけたらその人を助けてあげてください。
そしたら、私の一つの親切がずっと輪になって北海道中に広がります。
そうするのが、私は一番嬉しいんです。
そうするようにって私、父や母にいつも言われてるんです』
と私に話してくれました」
女子高生のお父さん・お母さんが凄すぎますね。私も子どもに伝えていきます!
byありがとうマン