ありがとうマンが贈る
〜心に残るありがとう〜 話
2020.02.09
大学時代の同級生仲間で、1年の時から付き合ってるカップルがいました。仲良しで、でも二人だけの世界を作ってるわけじゃなく、みんなと仲良くしてました。私は彼女の一番の友達だったんだけど、彼氏とも仲良くしてたわけです。大学を卒業しても交流があったし、何度か会った時も二人は一緒で、本当に仲良しだなァって思ってたわけです。最後に3人で会った時、「結婚しないの?」って聞いたら、「うん、まあね…」とお茶を濁す様な返事。
その後、彼女が病気だった事がわかって入院して、彼は仕事の行きと帰りに欠かさず彼女のお見舞いしてました。私も何度も行きました。病名は水頭症でした。
結局、治療も空しく、彼女はこの世の人ではなくなってしまったんです…。
私たちが25 歳の夏でした。お通夜と告別式の手伝いに行った時、喪服を着てチョコンと座ってタバコを吸っている彼に、「…、なんて言って良いか、わかんないよ…。」と泣きながら私は言いました。すると彼は、「そうだね。でも、これでアイツが他の誰の物にもなら無い事が決まったしね。」と、ニッコリと笑顔で言いました。私は耐えられなくて号泣。それでも彼は殆ど無表情で、まあまあと私の肩を抱いてくれました。出棺の時、「これが最後のお別れです。」って式場の人が言った途端、彼は耐え切れなくなって、崩れるようにボロボロと涙を流し始めました。子どもの様に、大きな声をあげて。その姿を見て、またしても私は号泣でした。数日後、少し落ち着いてから、彼と会いました。見て欲しい物があるって。
それは彼女が昏睡して意識を失う前に書いた、最後の手紙だったんです。
彼が、「俺はね、アイツを励まそうと思って、『結婚しようよ。』って言ったんだ。そうしたら、アイツは
『病気が治ったら結婚届けを出そうね。』って言ってた。
俺は『間違いなく治るからさ』って励まして、役所に行って結婚届け貰ってきた。でも俺は本当はもう無
理だって知ってたんだ。でも励ましたかったんだ。アイツが死んだ日に、アイツのお父さんが黙ってこれを
渡してくれた。」と言って、私に手紙を渡してくれました。中には見慣れた彼女の筆跡でこう書いてありま
した。「うそつき。でも凄く嬉しかった。本当にそうなったらなって何度も思いました。
私にはあなたの代わりはもう見つからない。だから私はずっとあなたの物。
だけどわたしの代わりはいるんだよ。気にしないで良いからね。落ち込んだあなたを、きっと一番励まし
てくれるだろう人が誰なのかは、わかってるから。
その人にこの手紙を見せてあげて下さい。本当にありがとうございました。じゃあね!」私はその手紙
を見て、人前なのにまたしてもボロボロに号泣してしまって。彼が、「それは多分、君の事なんじゃない
か?」って。うん。私は前から彼が好きだった。
あれからずーっと引きずってる彼と仲良くして4年。今度結婚します。
私もそうですが、その方々に早く気づき、一緒に人生をエンジョイしていかねば勿体無いと改めて深く重く感じるきっかけをいただきました。