ありがとうマンが贈る
〜心に残るありがとう〜 話
2019.06.09
数年前にお父さんが還暦を迎えた時、家族4人で食事に出かけた。お兄ちゃんが全員分の支払いをしてくれた。
普段着ではなく、全員が少しかしこまっていて照れくさい気もした。
その時はまだ学生だった私も社会人となった。お母さんの還暦のお祝いは家族で温泉に旅行に行こうとお兄ちゃんと話し合った。
両親に伝えるととても喜んでくれた。
家族旅行なんて久しぶりのことだった。私が高校に入ってからは自然と行かなくなっていた。旅館の部屋は思っていたよりも結構広くてキレイだった。食事も豪華で両親共に大満足のようだった。
お母さんと一緒に温泉に入って背中を流してあげた時、なんだか小さく感じた。
今までたくさん私たちの為に頑張ってきてくれたのだと思った。
その日の夜、家族4人で並んで眠った。
子供の頃からそんな風に全員が並んで眠ることはなかった。
私の記憶にある家族旅行ではホテルで2部屋に分かれて泊まっていた。
でもなんだか懐かしいような気持ちになった。
家族旅行をプレゼント出来て本当に良かったと思った。
旅行から帰宅してリビングでお茶を飲んでいるとチャイムが鳴った。珍しくお父さんが玄関へと向かった。お父さんの後に玄関へと向かったお母さんが驚きの声を上げた。
お母さんの声に私とお兄ちゃんも玄関へと向かった。駆け付けた私が目にしたものはまるで想像していなかったものだった。
お母さんが大輪の赤いバラの花束を抱えていた。
お父さんは少し照れているようだった。
お兄ちゃんが私にそっと耳打ちした。
おやじに相談されて僕が手配したんだ。60本あるんだよ!
こんなサプライズがあったなんてとても驚いた。
バラの花束を持つお母さんは、まるで少女みたいな笑顔だったお父さんのことがいつもよりもかっこよく見えた。
また、仲良しな親子だなって感心しました。お父さんが息子にサプライズの相談するって素敵!素敵すぎます!