KIRARI MACHINOHITO

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【三味線演奏者・指導者】飯田 香織(いいだ かおり

 今回は東近江市南佐野町(旧能登川町)にお住いの三味線演奏者であり指導者の、飯田香織さんをご紹介します。
小学生の頃にお母様から琴を習い、和の音色を楽しまれます。洋楽器もピアノ、ドラム、トランペットと数多く習われたのですが、やはり和楽器の魅力は強く、なかでも三味線の音色が忘れられなかったそうです。「習いたかったのですが、周りの大人たちが皆難しいと言っていたので、諦めてしまったんです」と飯田さんは思い出されます。

地方新聞の記者になり20年、子育ての時期に家庭の都合で退社されました。育児も一段落し、自分の時間ができてくると「難しいけど津軽三味線に挑戦したい」との気持ちがこみ上げ、募るばかり。ある日新聞チラシの『三味線体験教室』の文字に激しく反応し、体験教室に参加され、すぐに民謡三味線を習う事を決意されました。「子供の頃からの憧れの楽器を弾けば、その音色に惚れぼれと聞き入り、やっぱりこれだと一弾惚れでしたね」と笑われます。翌年民謡三味線の発表会に出られますが、高橋竹山氏のCDに感激され「やっぱり津軽三味線が弾きたい」と、彦根・長浜市を中心に活動される津軽三味線 日本民謡鈴政会の家元、鈴政政弾氏に師事されます。津軽三味線には2つの演奏法があります。一般に良く知られている叩き三味線。もう一つは、ボサマと呼ばれる盲人が、門付け(家の軒先)演奏していた弾き三味線。飯田さんは繊細な音色を奏でる弾き三味線に魅せられ、10年かかると言われる三味線奏者になるために、毎日3時間の練習に取組まれます。猛練習のかいあって、2年後に名取となられ「鈴政政香」の名をもらわれました。以降、彦根・東近江市を中心に演奏会と体験会を開催され、和楽器の魅力を発信され続けられます。そして3年後、当面の目標であった名取師範となられます。
今では能登川地区文化協会加盟の三味線サークルで、20代~80代の9名の生徒さんを指導されています。「いきなり津軽三味線を演奏するのは難しいので、三味線演奏の楽しさを知ってもらうために民謡を半年、その後津軽の入門曲、そしてじょんがら節を弾く。そんな感じで指導しています」と話されます。三味線の難しさは何といっても、耳と体で曲を覚えること。譜面もなければ、棹にギターの様なフレットもありません。師匠の演奏を見ながら棹の手の位置、音を耳で聞きながら、自分自身で演奏メモの様な覚書を作り、何度も何度も弾くことで演奏技法を自分のものにするのです。「今の皆さんは譜面に慣れているので、この練習法には馴染めないようなんです。ですからサークルでは私が譜面を作って、19あるツボの主要部分を棹にマークして教えています」と話されます。そのかいあって、じょんがら節を弾かれる生徒さんも数人おられるとか。伝統だけに捉われず、親しみやすく解り易い指導法は大切ですよね。昨年から東近江市ライフロング講座(生涯学習)の三味線講座講師として講座をスタートされた飯田さん。8名の生徒さんたちは、12月の講座修了式にクリスマスコンサートとして5曲演奏されたそうです。発表の場という目標があるのは、緊張しますけど励みと自信にもなるでしょうね。
これからの夢をお尋ねすると「大人だけじゃなく子供たちにも、和楽器の体験をして欲しいですね」と、小学校に出向いて三味線教育・体験の企画を話して下さいました。当面の問題は三味線の本数を増やすこと。「一棹20万円くらいするんです。中古品でも8万円。40人のクラスならせめて20棹はないと、授業ならないので」と笑われます。東近江市文化団体連合会や能登川地区文化協会などで要職に就かれ傍ら、11月に奥永源寺政所、瓦屋禅寺、能登川文化祭、東近江市文化祭、12月にはライフロング講座のクリスマスコンサートで演奏の予定と活躍されています。益々のご活躍をお祈りします。

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