ふるさとに
芸術・文化・伝統・風土を育む
今回は彦根市大藪町にお住まいの画家、上田三佳さんをご紹介します。
何気ない毎日に散りばめられた、美しさや驚きを自由に正直に、自分の色と形で絵として表現されている上田さん。学生時代にはデザインを学ばれ、卒業後は、造園コンサルタント会社へ自分から飛び込まれました。
就職後は主に、公園設計に従事されていましたが、植物の事が学びたいと退職し、滋賀県立大学へ通われました。その後も、教授の秘書をしながら地元の造園NPOでアルバイトをする毎日が続きます。
ある日、油絵が描きたいと彦根市内の絵画教室に通い始められました。「小さい頃、自宅で両親が友禅染の仕事をしていて、子供ながらその手伝いをしていたことが、つくることや絵を身近に感じていたんだと思います」と話されます。10年間、物の見方や制作意識と油絵について学ばれ、6年前に思いっきり絵が描きたいと、アトリエのある今のお住まいに移られました。
ある一定の限定された人達だけでなく、ゆるやかだけど確かなつながりを大切にしたいと、様々なアーティストと気さくに付き合われる上田さん。昨年、その仲間達と銀ぶらアート実行委員会を組織し、銀座芝居小屋ビルを中心にアートイベントを開催されました。
現在も銀座芝居小屋ビル3 階に、『銀ぶら4 2 6』という作家の情報交換の活動拠点を置かれています。
上田さんは、その物自身や事象が放つ色、感じる目線を大切に、まっすぐに正直な気持ちで抽象画を描かれます。油彩では大きな黒い球が浮かんだような作品「もやだま moyadama」。
時には壁面や床と、大きな空間に力強く描かれます。もう一つの「かさねkasane」では、日々の景色やささいな変化や驚きを、色紙を重ね貼るという方法で表現されています。その素材は自分の失敗作品、気に入った紙など。色紙を重ね貼るという淡々とした制作を続けられます。出来上がった作品にイメージするタイトルをつけ、ようやく完成。インスタレーション的な作品では、紙片が風に揺れ、平面とは違った表情を感じることができます。
最後に、今後の夢をお聞きしました。上田さんは力強く「ジャンルを超えて、一緒につくる事を大切に、ギャラリーでない所で展示が出来たら。そして、その場所でしかない所で、空間として存在感のある制作をつくりたいし、ずっと死ぬまで制作がしたいですね」と笑われます。
~上田さんの世界!~
『 つぶのもり』 でWEB検索。
是非一度、覗いてみて下さい。