KIRARI MACHINOHITO

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佐々木 小次郎(ささき こじろう)さん

今回は竜王町山面お住いの、切り絵作家 佐々木小次郎さんをご紹介します。

中学生からマラソンのオリンピック選手だった君原さんに憧れ、陸上部で長距離走をやっておられた佐々木さん。卒業後、自動車会社を経て「滋賀県から全日本大会に出場できるチームを作りたい」と熱く語られる監督のもと、ベアリング製造の会社へ移籍。1971年の和歌山国体で5000m走者として、更にその年から4年連続で、全日本実業団駅伝に出場されました。そしてなんと幸運にも、憧れだった君原選手と同じ区間を走られました。最高の思い出ですね。

 

佐々木さんのご実家は、彦根市の荒神山の麓で京染め物の仕事をされていました。子供の頃からお父さんの仕事姿に影響され、絵を描くことが好きだった佐々木さんは、働くようになってからもイラストを趣味として描かれていました。26才の時に勧められて、石山にある知人の作家のアトリエを2週間借りてイラスト展を開催されました。「20枚の小さな展示会でしたが、当時は副業などもってのほかでしたから、迷いながらの開催でした。その不安をよそに、来場者の評判は良かったのでホッとしました。その年に本社への転勤の声がかかったんです。なんと、製造現場から図面を描く技術センターへの異動。ビックリでした」と話されます。キッチリした線で描かれる、佐々木さんのイラストが評価されたんでしょうね。

 

定年退職後、佐々木さんは大病をされ、走ることもやめられました。しかし「何かしないと」と、竜王町開催の数多い講座の中から、展示されていた切り絵の先生と話すことで、切り絵に興味が湧いてきたそうです。「最初は自分ひとり独学で切ってみて、出来たので入講しました。やっぱり恥はかきたくないですからね」と笑われます。それが切り絵を始めて10年、先生の見本を見ながらの悪戦苦闘でしたが、今ではモノクロ作品なら1時間程度、色彩モノなら40時間程度で仕上げられ、作品数は230枚に上ります。ご自身のオリジナルにはあえて取組まず、絵や写真があれば何でも切りますと言われる佐々木さんですが、新たな挑戦にも取組まれています。切り絵と言えば定番はモノクロですが、3年前からは新たに色彩モノやジャズの切り絵を手掛けておられます。「教室に通う女性のリクエストから始めたんです。制作時間はかかりますが、出来ると本当にきれいなんです。版画と見分けてもらうために、オリジナルな工夫やアレンジをして楽しんでいます。ジャズも友人のリクエスト。まったく興味がなかったのですが、調べて演奏者を感じながら切っているとジャズも好きになってくるんです。風景も同じで、切っているとその場に行ってその人にあった気になるんです。マジックトリップですね」と佐々木さんは話されます。

 

ジャズ切り絵は2022年・2023年に、近江八幡のジャズ喫茶で個展開催の機会を得られ、たくさんの人に知ってもらえたとのことでした。「これからも自分の切り絵スタイルを長く続けて、多くの作品作りに挑戦したい」と意欲的に話されました。

 

切り絵に必要な道具は、カッターマット、カッターフォルダー(本体)、オルファのカッター刃金。但しカッター刃金は、通常の刃先45°ではなく30°ものです。全てホームセンターで安価に手に入ります。初心者の制作時間は、モノクロで3ヶ月/枚、色彩モノなら1年/枚と手ゴロに楽しめることが良いですね。佐々木さん所属の切り絵教室『竜王町切り絵クラブ』は現在19名(男性4名、女性15名)、竜王町公民館で毎月一回開催されています。新たな趣味への挑戦、始めてみませんか。

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